■日本法人の場合の出資者(個人or法人)
日本法人を設立する際、まず「出資をするのは海外の法人(=会社)か?個人か?」を決めていただきます。法人出資と個人出資、それぞれメリット、デメリットがありますのでご紹介しましょう。
【法人出資の場合】
海外法人が出資して日本法人を設立する場合、日本の法人はいわゆる「子会社」となります。
メリットとしては、海外本社の規模や実績に応じて、設立したばかりの会社でも一定の信用を得ることができます。
そのため、例えば、スタッフの就労ビザを申請する場合、個人出資で設立された会社と比べて有利にだと言えます。商品の仕入や顧客との契約を行う場合にも良い影響が期待できます。また、日本の政府機関や自治体の支援をうけられることもあります。
デメリットとしては、まず外貨管理がなされている国から出資する場合、資本金の送金が難しいことがあります。
例えば中国の場合、まず国の機関(商務部、外貨管理局等)での審査を受けなければなりません。更に、その後、銀行でも厳しい審査があります。
また、韓国や台湾でも本国の税務当局への説明等のため、「どこに、どうやって資本金を送るのか」については、社内で慎重に検討してから行われます。
国を問わず、社としての規模が大きいほど、送金手続きは慎重に行われる傾向があります。
【個人出資の場合】
海外から個人出資で日本法人を設立する場合、一般的に送金手続きが法人出資ほど複雑でないことが大きなメリットでしょう。
ただし、中国については、個人で海外に送金できる金額が厳しく制限されているため注意が必要です。また、送金についての政策、手続きは頻繁に変更されているので、最新情報を入手するようにしましょう。
デメリットとしては、海外の個人は日本社会での信用情報がないため、スタッフのビザ申請等で不利になったり、会社名義の銀行口座の開設が難しいこと等があります。